ほっと通信 第69号     平成30年8月22日(水)

 

この夏は、全国的に猛暑が続き、熱中症のニュースが連日のように報じられましたが、いかがお過ごしでしたか。

今回は、私が認知症を理解し、その人と家族を支援する「認知症サポーター」でもありますので、認知症の話を取り上げてみました。認知症とは、脳の障害で記憶力や判断力が低下し、生活に支障が生じる症状です。厚生労働省では、7年後の2025年には65才以上の約5人に1人に当たる700万人に増加すると推計しています。
認知症の人は、症状から不安に陥り、その結果、まわりの人との関係が損なわれることになったり、家族が疲れ切って共倒れしてしまうことも少なくないと言われ、周囲の理解と気遣い、地域の支え合いの必要性が叫ばれています。このため国や市町村では、住まいを中心に医療、介護、生活支援・介護予防、町内会、老人クラブ等と連携した地域包括ケアシステムの計画の具体化を推進しています。
そんな中、ここ数年、問題となっているのが、認知症が原因とみられる行方不明者の増加です。警察庁がまとめた昨年の不明者は、15,863人で、5年連続更新して最多となっています。

帯広市には、認知症を含め高齢者が行方不明になった際に、一刻も早く発見し、家族のもとに帰れるように支援する「徘徊高齢者等SOSネットワーク」があります。高齢者施設、タクシー会社等約250の協力機関が登録され、行方不明が発生した場合、警察に連絡すると、市役所から登録した協力機関に情報がファックスで送られ、見つかると、警察に知らせる仕組みです。担当する高齢者福祉課では「昨年は、約30件活用しました。徘徊が起こっても、安心できるマチづくりを目指しています」と話しています。

ところで、東京海上日動が、10月から認知症の人や家族を対象に新商品を販売するのは、ご存知でしょうか。これまでの発表(7月25日付、毎日新聞)ですと、対象が40歳以上の認知症の人と家族で、医師から認知症の判断を受けていなくても契約でき、行方不明になってから24時間以内に見つからず、介護事業者に捜索依頼をしたり、送迎にタクシーを利用した時に一定の範囲内で費用が支払われる内容とのことです。業界初の商品で、詳細がわかり次第、ご案内します。
 今回は、樋渡 康が担当しました