ほっと通信  第77号               令和元年6月20日

 こんにちは。温度差が激しい日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。今回は、樋渡康が担当します。

 今年は、高齢運転者の交通事故が頻発し、社会問題化しています。今年の主な重大事故いくつか挙げてみますと、4月19日に東京都豊島区で、87歳の男性運転の乗用車が約150m暴走、近くに住む母子が死亡、8人が重軽傷、5月28日に神奈川県茅ケ崎市で、90歳の女性運転の乗用車が赤信号の交差点に進入、1人が死亡、3人が負傷・・・などです。

 警視庁(東京都)の調査では、事故を起こしやすいのは「16~19歳」が傑出して多く、続いて「20~29歳」、次が「80歳以上」で、70歳代となると、他の年代とあまり変わらない、との結果が出ています。一方で、内閣府の調査では、75歳以上の運転者の事故は、75歳未満と比較して2倍以上との指摘もあります。

 高齢運転者の統計上の定義は、警察庁(全国)が75歳以上、警視庁(東京都)が65歳以上としていますが、専門家が高齢運転者による事故を誘発する要因としているのが(1)視力低下により、状況判断を誤る(2)反射神経が鈍くなり、とっさの対応が遅れる(3)身体的な衰えから、運転操作が的確に出来なくなる(4)長年の運転による「慣れ」から、自己中心の運転になったり、自己判断をし過ぎる・・・です。そして事故対策として(1)運転免許更新時の「高齢者講習」の受講の徹底(2)基本に立ち返った運転(早めのライト点灯や法定速度を守るなど)(3)家族や周りのアドバイスを受け入れる・・・などを挙げています。

 高齢運転者の事故対策として、ここ数年、免許の自主返納がすすめられていますが、生活圏が広く、公共交通機関が限られている地方では、自動車が買い物や通院など欠かせない「生活の足」となっているのが現状です。内閣府が昨年11,12月、3,000人を対象に調査を実施し、6月、結果を発表しました。外出時の運転者が70代後半で45,7%、80歳以上で26,4%と答え、高齢者にとって欠かせない実態が改めて明らかになりました。

 高齢者への対応策として、無料バス券の発行等が進められていますが、免許の自主返納には強い抵抗感がありおます。自動車事故の賠償は、私どもの業務とは大きな関わりがあり、今後、官民一体の取り組に期待しております。